靴の悩み相談

小さいサイズの靴は、何故限られるのか…?

小さいサイズの靴はなかなか置いてない、種類が限られてしまう…

足のサイズでお悩みの皆様をさらに悩ませていることと思いますが、
何故上記のようになってしまうのかについて、お話ししてみたいと思います。

靴を製造するためには、ざっくりとですが、

・革
・木型
・様々なパーツ
が必要です。
革は、サイズが違うと製造しにくい、ということは大きくはありません。
(とは言っても、厳密にはあります。それはまた後のお話に)

しかし、残る「木型」と「パーツ」はどうかと言えば、
小さいサイズの靴がなかなか作られない理由の多くがここにあると言えると思います。

木型について

木型は、靴のサイズ・フォルムそのものと言って良いでしょう。
ということは、サイズが違えば、木型は別のものが必要になります。

つまり、欲しいのは1足だけ、それで良いのだけど、という場合でも 「別の木型を作る必要がある・・・」
ということになります。

すでにデザインも木型もある靴であっても、
小さいサイズを用意しようとすれば、小さいサイズの木型を作るわけですから…

そのコストを回収するに、
・そのサイズだけで、それなりの数の靴を製造販売する
・そのサイズの1足の価格を上げる(相当なアップに…)
のどちらかの話になってしまいます。
(作り手側の論理ではありますが…致し方ありません)

とすれば現実的には、メーカーさん側としては、沢山の受注を見込めない場合、
木型のサイズを広げて用意しておこう、とは考えてくれません。

「これだけの数を購入します!」
と発注側が確約をすれば…可能になりそうなものですが、
それでも腰が重いのが、実状ではあります。
木型を増やす=どのようにサイズを小さくするのか、単に全て同じ比率で
小さくすれば良いだけではないという難しさもあるからです。

そうは言いながら、小さい木型を用意してくれるメーカーさんもありますし、
私達も、「これだけ頼むので、小さいサイズも是非作ってください!」
と御願いすることで、木型のサイズを増やすことが出来た商品もあります。

パーツについて

木型の制約はありますが、でも最近は
「小さいサイズに使えるパーツが限られている…」
による制約や難しさを特に感じることが多いです。

パーツといっても靴の場合様々ですが、
皆様にイメージして頂きやすいものを1つ挙げるならば”ヒール”です。

意識しづらいポイントですが…
靴の製造サイズが変われば、ヒールも違うサイズが必要、になります。

すなわち、小さいサイズの靴を作るならば、小さいサイズのヒールが必要。

これが…手に入りにくい。。

ヒールを作る”型”の製造にはかなりの額がかかります。
従って木型以上に、数を作らねばコストパフォーマンスが悪すぎるため、
いろんなバリエーションが用意されることは稀です。

すなわち、小さいサイズの木型を作れたとしても
それに合うヒールを用意できる見込みがなければ、靴にはなりません。

極めて一般的なヒールであれば、
”特小”と呼ばれるサイズもあるのですが…
トレンド感がある新しい形状であったり、特殊な素材を使っている、
一体成型(モールド)底のものなどは、本当に製造が限られています。

「こんな靴を小さいサイズのお客様にご提供したい!」

と思うもの沢山あるのですが…この制約によって諦めざるを得ないことは多々あります…。
(それでも粘ってはいますが)

話し出せばキリがありませんが…ヒール以外にも様々にあります。

例えば、メタル(金属)で出来たパーツなどは、とても美しかったり致しますが、
これもまた、サイズのバリエーションがあるものは希少で…
小さいサイズに合うものが無いことが多いのです。

靴自体は小さいのに、パーツのサイズは大きいまま…では、デザイン的なバランスが
全く変わってきてしまうので…これまた断念することになります。

それ以外にも、靴はいろんなパーツを使っていますので、
小さいサイズに対応できるパーツが無い、ということで製造が難しくなってしまう理由が
多くあることになります。

結局はメーカーさんからすればまとまった注文数がなければ、製造できない、
となるわけです。

もちろん、出来ないことなんて無い、とも言えますが…
コストがまったく現実的にはならない、
ということですね。
(オーダーの靴が高くなる理由と同じです。。)

これは、小さいサイズの安価な靴というのがなかなか無いことにも繋がってきます。

レディースキッドでは、いろんなメーカーさんとお付き合いして、
それぞれで少しずつやって頂くようにしたり、
数をある程度御願いすることで、製造を御願いできるようにしたりとして、
小さいサイズであっても、バリエーションある靴をご提案できるようにしています。
(もちろんそれだけにリスクは高いので…ビジネスとしては綱渡りです。。。)

ここまで書かせて頂いてきた、いろんな壁があるわけですが…
少しずつそれをクリアして、
こんなにも小さいサイズの靴がある!
とどなたにもお喜び頂けるように、なっていきたいと思います。

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